大人の事情と経済的な問題・メリットについて

大人の事情とは簡単で、検査を行うために必要な試薬が高価であるということです
単純に、試薬の価格に比較して患者さんからいただく報酬が下回っており、検査をすればするほど赤字になるということですね

例1)HbA1cの試薬が505円であるのに比較して報酬が490円である
例2)脂質3種(総コレステロール+善玉コレステロール+中性脂肪)の試薬が441.6円であるのに比較して報酬が330円である

当然、クリニックの経営を考慮し工夫をこらすのですが、解決できないことはあります
赤字になっている分、他の診療報酬が割をくっていたとしても
まずは患者さんの病状把握受診回数の軽減、下に述べる医療経済(患者さん個人だけでなく、国の医療経済事情も鑑みて医療を行うこと)が優先されるべきと我々は(院長だけでなく、スタッフも)考えています

今回の検査機械は短時間で結果が得られることを最大のメリットとした目的で導入したものですが、上記の大人の事情を破棄すれば、より大きなメリットを得られると考えています

1.患者さんの病状把握を当日に行えることで、即日、治療方針を決定できる
これだけでも患者さんにとっては十分なメリットではあるのですが・・・
さらに・・・

2.医療経済の負担を軽減することができる
ということです

以下では、2.についてお話したいと思います

単純に当日、検査の結果が得られ、即日、結果を説明し、治療方針を決定するので、患者さんは検査で1回・結果説明で1回と2回受診せずに済むようになります

ここで2回受診した場合と、1回で済んだ場合とで診療報酬の差がどれくらいあるか、つまり、患者さんが窓口で支払う金額がどれほど違うのかをシミュレーションしたいと思います

糖尿病の患者さん、2-3か月に1度の通院を行っていて、フォローアップのため採血検査(一般的に必要と思われる血液一般検査+ヘモグロビンA1c+グルコース+クレアチニン+BUN+NaおよびCl+K)を受けながら、治療方針を決定している患者さん、と仮定すると一般的には・・・
初日は食生活、運動などの状況をお聞きした後に、採血検査を受けていただき、会計
後日、再診していただき、結果を説明し、治療方針を決定したうえで処方箋発行、会計

この場合には次のようになります(分かりやすくするため全て自費計算です)

まずは1日目、採血をして帰る日の領収書と明細書

では2日目、結果説明を受けて、処方を受けて帰る日の領収書と明細書

2日間合わせると、6870円+3590円で10460円となります
保険診療であれば、通常はこれの1~3割負担ですから
医院・クリニックでの窓口負担は約1040円から3140円になる計算です

これを、院内検査(全く同じ項目で採血)に置き換え、30分で検査結果を得て、即日説明、治療方針を決定し、処方箋を発行した場合には・・・

と、8710円で1750円の医療経済の負担軽減になります、窓口負担は870~2610円となりますので170~530円程度の負担軽減ということですので患者さんの負担は劇的には変わりません

これはあくまでも、当院でのシミュレーションです
また、採血項目や尿検査によっては診療報酬が変わることもあります、ご理解ください