患者さんが”貧血”という症状でいらっしゃると
多くの場合には、実際の”貧血”で無い場合が殆どです
貧血の定義ですけれども、血色素量(ヘモグロビンやHb、Hgbと表記される場合も)が
男性・・・13.4g/dL以下
女性・・・11.2g/dL以下
となった状態をいいます
ヘモグロビンは酸素と結合し、全身に酸素を運搬します
ヘモグロビンが少なくなれば、酸素の運搬量も減りますので
ダルくなったり、息切れを起こしたり、苦しくなったりするわけです
平成29年の厚生労働省が発表した国民健康・栄養調査1)によれば
貧血と定義できる割合は
全世代(20代から75歳以上まで)で見ますと男性で9.3(8.9)%、女性で5.1(5.0)%です
( )内は貧血治療薬を使用してる方を除外した数字
1)平成29年国民健康・栄養調査報告 身体状況調査の結果(p.115-118)
???
なんだか、男性の方が多くて、実際とは異なる印象ですよね
女性の方が貧血症状を訴える頻度が多いような・・・
厚生労働省が発表している内容なんて机上の空論なんじゃないの?
・・・と焦らずに
実はこれを世代ごとに分けて考えてみると
少しだけ真実に近づくことができるんです
貧血の原因で多いものは
男性は癌腫(特に胃癌・大腸癌などの消化器癌)によるもので
女性は月経による出血によるもの
これを加味し、検討世代を50歳以上に引き上げてみますと
男性で13.5(12.9)%<213/1576人(202/1563人)>
女性で3.0(3.9)%<61/2008人(78/1982人)>
( )内は貧血治療薬を使用してる方を除外した数字
と、やはり、男性が多い結果になりますし
では、これを20代から40代までに限定してみると・・・
男性で0.4以下(0.4以下)%<1/271人(1/271人)>
女性で8.3(8.4)%<40/480人(40/476人)>
( )内は貧血治療薬を使用してる方を除外した数字
となり男性の貧血がとても少なく、女性が多いという
実際に即した結果となっています
ここから見て取れることは何か・・・それは・・・
40代までの女性と50台からの男性は貧血症状に注意、ということです
性別、世代によって異なるということなんですね
特に50代以降の男性の貧血は癌が隠れていることもあります
貧血症状がありましたら、当院へ受診ください
それにして、世代で分けて、貧血が多い世代毎で比較しても
男性が約13%、女性が約8%・・・なんだか変な感じですよね
女性の方が貧血になりやすいような・・・
そうなんです
最初にお話した通り、患者さんが”貧血”という症状でいらっしゃると
多くの場合には、実際の”貧血”で無い場合が殆どで
実際には、貧血”様”症状であるということなんですね
症状がほぼ同じ、あるいは似ているけれども実際には貧血ではない
そもそも貧血様症状ってどのようなものでしょう
・だるい、疲れやすい
・息切れ;特に階段や急な坂道など
・顔色が悪い;青白い顔をしている
・動悸;脈が速い
・めまい、耳鳴り
・頭痛、集中力の低下
だるさや疲れは貧血の他にも肝臓疾患や、内分泌疾患(甲状腺・副腎など)
息切れや動悸は貧血だけでなく、心臓疾患の可能性もあります
顔色が悪い場合には貧血だけでなく、血圧が低かったり、自律神経の問題であったり
頭痛も高血圧やをはじめとして、他の疾患が隠れている場合もあります
当院は血液疾患だけでなく
上記のような内科疾患も扱っております
貧血症状、そして貧血様症状があっても受診していただければ、と思います
スタッフブログでも貧血についてとりあげています、ぜひご覧ください
スタッフ~皆さんへpart5 貧血について
ほうれん草にまつわるお話😊
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ぜひご利用ください