ウイルス感染症について

以前、開院前に風邪についてお話したときに
そのほとんどはウイルスが原因であるとお話したことがあると思います

今回はそんなウイルスの中でも、ちょっと特殊なウイルスについて
お話していきたいと思います、身近なものもあれば怖いもの
どちらにしても良いことはありませんが、知識の一つとしてどうぞ

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まず、見ていただきたいのは特効薬の存在について
細菌(ばい菌)には抗菌薬
真菌(カビ)には抗真菌薬
寄生虫には寄生虫治療薬
そしてウイルスには抗ウイルス薬があります

上の写真は医療者が薬剤について調べるとき
よく用いられる「今日の治療薬」ですが、これに収載されている
つまりは世に出ている薬の種類についてどれくらいの数があるか
みていただくために掲載しました
一番上の分厚いところが抗菌薬
次が抗ウイルス薬
そして抗真菌薬
寄生虫治療薬と続きます

抗菌薬は発見されたのが最も古いので、種類も豊富です
抗ウイルス薬は、ここ最近で、様々な薬品が開発されています
以前もお話した通り、感冒症などの原因となる
名もなきウイルス(もちろん本当は名前があるんですけれどもね)には
特効薬というものは存在しません
特効薬として存在するものはその殆どが
命にかかわる重大な感染症の原因ウイルスに対して開発されたものです

今回はどの様な特効薬があり、その対応するウイルスが
どのようなものがあるか、をお話したいと思います

<抗ヘルペスウイルス薬>

ヘルペス属ウイルスに効果があります
口唇や性器周辺に発症する単純ヘルペス(HHV-1/2)
小児期に水疱瘡として全身の皮膚に発症したのち神経節に残り
免疫が低下した際に帯状疱疹として発症する水痘・帯状疱疹ウイルス(HHV-3)があります

<抗サイトメガロウイルス(CMV)薬>

サイトメガロウイルス(CMV; HHV-5)は単純ヘルペスや水痘・帯状疱疹ウイルスと同様
ヘルペス属のウイルスです

小児期に不顕性感染(感染はしたけど症状がないものをいいます)を起こし
そのまま体内に寄生します
小児期にリンパ球が大活躍して抗体を作るようになりますので
生涯、問題にならないことが殆どです

しかし、癌やAIDS等の免疫低下を起こすと
 サイトメガロウイルス腸炎
 サイトメガロウイルス肺炎
 サイトメガロウイルス網膜炎
などを起こすことがあります

<抗インフルエンザウイルス薬>

これは皆さんに最も馴染みのあるウイルスなのではないでしょうか
当院でも以前ご紹介したように
検査機械が搬入されました!!(arkray編その3)
予防接種あり、鼻の奥まで綿棒を突っ込まれて受ける迅速診断検査キットあり
最も身近ですよね

<抗RSウイルス薬>

RSウイルスは乳児期から高齢期まで
全年齢にわたって罹患する可能性のあるウイルスで
何度も感染、発症を繰り返すウイルスです
いわゆる”風邪”の原因ウイルスと同様の症状であるために
RSウイルスに感染していると気が付かない場合がほとんどです

小児期までにほぼ100%が初感染を経験し
体内に抗体を作るため、問題にならないことが殆どです

特効薬として筋注薬が存在していますが
適応は限定的で、極一部の患児のみ使用することができます

<抗HIV薬>

AIDSの原因となるヒト免疫不全ウイルスです

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は「性行為による感染」が注目されますが
他にも「血液を介しての感染」、「母親から乳児への母子感染」もあり
そのどれもが「感染者の体液への曝露」が原因です

パートナー同士がお互いに「知っている」ということがとても大切な感染症です
他には医療機関外で体を傷つける、つまりは針を刺したりする場合には
器具の使いまわしなどが無いかを確認する必要性があります

現在はHIVに感染してもAIDSに至るまでは稀で
定期的に治療薬を内服していれば、ほとんどコントロールがつきます
この分野と次の肝炎ウイルスが抗ウイルス薬の開発が活発です

HIVは感染が確認された段階で必ずしもすぐに治療が必要ということでなく
ウイルス量、CD4陽性リンパ球の数などで治療導入が決まっていたのですが
近年ではHIV感染症と診断された時点で治療の開始が勧められています

<抗B型肝炎ウイルス薬>

B型肝炎の原因ウイルスのB型肝炎ウイルス(HBV)です
以前は母子感染・および性行為感染症として扱われていたB型肝炎ウイルスですが
最近では、性行為感染症よりも弁護士の方々が取り扱っている
過去の注射針の使いまわしによる、B型肝炎集団訴訟が目につきます

感染した後には、必ずしも肝炎として発症するわけではなく
体の中に居座り続けます、これも免疫が低下した段階で
HBVのウイルス量が増加してくると肝炎として成立するわけです
抗ウイルス薬は以前に比較し、良いものがたくさん出ているので
コントロールが容易にはなっています・・・

しかし、最も大切なことは・・・

B型肝炎やC型肝炎はHIVと同様に、発症しないようにするということで
B型肝炎(後)あるいはキャリアと診断された方は
3-6カ月ごとに受診し、DNA量、RNA量を測定することです

<抗C型肝炎ウイルス薬>

C型肝炎の原因ウイルスのC型肝炎ウイルス(HCV)です
現在では前述したように、最も開発が盛んな分野ですので
年齢、状況などにもよりますが・・・
体内からHCVを駆逐つまり完全に治癒させることができる時代です

B型肝炎およびC型肝炎の治療は専門の病院で行うことになりますが
検査は当院で行うことができます

ヘルペス、帯状疱疹、インフルエンザ、HIVの治療は
当院で受けていただくことができます
感染症の専門にお任せください

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